特徴/栽培

札幌黄の特徴

「札幌黄」は、生産の面では、均一な玉ねぎが生産されるF1品種と比較して、個性豊かで、長い球や、ややいびつな球なども発生しやすく、形状が不ぞろいで野生児的な品種だが、鬼皮の色や、味など優れた遺伝子も多くあり、現在の道内のF1品種の多くにその血が受け継がれている。また、「札幌黄」は、りん葉がやや厚く、軟らかい性質を持っている。同じ大きさの球であれば、「札幌黄」は肥大したりん葉の枚数が若干少なく、その分、一枚一枚のりん葉が厚くなる傾向が見られる。さらに、「札幌黄」は高貯蔵性のF1品種に負けない糖度を有し、辛みとのバランスも良いことから調理素材としては魅力的である。そのため、今でも「札幌黄」を探し求めているシェフは少なくない。「札幌黄」は北海道の玉ねぎ栽培の100年を支えた品種であり、いつまでもその種を守っていきたい品種である。

ブルックス博士
表イメージ

札幌黄の栽培

タマネギは、中央アジア原産のユリ科の多年草植物である。秋に種を播き、春に収穫する「春タマネギ」と、春に種を播き、秋に収穫する「秋タマネギ」があり、北海道で栽培されているほとんどが「秋タマネギ」で、札幌黄もその一つである。札幌黄の場合、3月にビニールハウスの中で種を播いて(播種)、育てた苗(育苗)を5月上旬に畑に植え(定植)る。茎葉がある程度発育し、一定の日長14、5時間と温度条件日平均気温20〜25℃が整う7月に入ると葉の付け根部分が肥大を開始し(肥大期)、球になってくる。さらに進むと新しい葉の出葉が止まり、8月に入ると葉が倒れ(倒伏期)、葉が枯れる(枯葉期・休眠期)9月上旬ころに収穫を迎える。
表

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